■裏アンセムレポート2
私は大きな過ちを犯してしまった。
ささやかな心理実験から始まった”心の闇”の 研究計画は、球速に巨大化した。 最年少の弟子イエンツォの熱心な進言により、 私は城の地下に大規模な研究施設を整えた。
すると6人の弟子たちは、私に隠れて多数の 被験者を集め、心の闇に関する危険な実験を 始めたのだ。
事態を知った私はただちに弟子たちを集め、 研究の中止と、これまでの研究成果の破棄を命じた。
私が忠良な弟子であった6人の心に、いったい 何が起きたと言うのか? 心の闇の謎を追ううちに、彼ら自身が闇へと 迷い込んでしまったのであろうか?
しかし最も愚かなのは、最初に実験を行った この私だ。 いかなる理由があれども、人の心の奥底に 他者が干渉してはならなかったのだ。 私は自らの過ちに絶望した。
打ちひしがれた私の心をいやしてくれたのは 別世界からの来訪者だった。 ”ミッキー”と名乗った小さな王は、その手に 伝説の鍵をたずさえていた。 そう、かつて世界に混沌と繁栄をもたらしたと いわれる”キーブレード”だ。 彼は数多くの興味深い知識をもたらし、我々は 楽しく語らって親交を深めた。
そんな彼の助言により、私は地下研究施設の データをすべて調べなおすことにした。
そして、”アンセムレポート”を発見したのだ。 私の名を冠してはいたが、私が記した文書は ナンバー0のみ。 続くナンバー1から8を、あの男が勝手に 書き進めていた。
私が愚かなる実験の、最初の被験者が。
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